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学会レポート

2011年12月3日第87回日本解剖学会近畿支部学術集会「演題1」で発表

「膜構造Fasciaで密閉された軟骨組織」は体を支える“基本的構造”

xf1670000406.jpg  軟骨組織の変化は不可逆的とされていますが、2003年、横浜私立大学・腰野富久名誉教授らにより、変形性膝関節症の荷重の偏りを整える手術で「すり減った軟骨の再生」が報告されました。幼児期には軟骨組織が骨組織以上に体を支え、「膜構造Fasciaで密閉された軟骨組織」が体を支える“基本的構造”であると考えてられます。「関節の“滑液”や“ゼリー状の水分が多い軟骨組織”が、なぜ、可動し変形して体を支えられるのか?」を考えると、膜構造で密閉された水の体積は外圧の変化に不変で、“水”を密閉するFasciaが不可欠です。 

  Fasciaで密閉された“軟骨組織”は“基本的構造”として、耳介などの弾性軟骨を含み、椎間円板や恥骨結合などでは硝子軟骨、線維軟骨が多様に組み合わさり、求められる機能に柔軟に対応しています。

その“軟骨組織”が「なぜ、すり減るのか?」を考えると、「水の滑液、水分が多いゼリー状の関節軟骨、リモデリングする固体の骨組織」を並べてFasciaで密閉した構造に、過剰な圧力をかけ続けると、骨組織との境界部で軟骨の細胞の分裂、増殖する機能が妨げられ、軟骨組織の退化、消失が考えられます。

日常的に、体を緩めて縮めていると、脊柱の椎骨・椎間円板を密閉するFasciaが弛緩して縮み、脊柱前弯部では椎間円板後方のFasciaが弛緩して後縦靭帯の両側から髄核のヘルニアが起こり、椎間円板は脱水して丈が縮みます。肩を後に退きお腹をへこめて腰を伸ばすと体が伸び、脊柱を密閉する骨膜・靭帯のFasciaは緊張し、加圧で椎間円板中心部の髄核の水が上下に突き出されて脊柱は伸展します。Fasciaで密閉された脊柱は体の伸縮・回旋に対応した構造です。

  「膜構造Fasciaで密閉された軟骨組織」は体を支える“基本的構造”として、柔軟に多様に対応して、従来の定説に反して、再生が容易であると考えられます。

2011年12月3日2011年12月3日 第87回日本解剖学会近畿支部学術集会「演題2」で発表

 「関節」は「膜構造Fasciaで密閉された軟骨組織」のバリエーション”

af9970020427.jpg「関節」は、構成する骨の数や運動軸、関節面の形状の分類、運動の種類が記述され、「骨の連結」の<滑膜性の連結>とされていますが複雑な構造の形成過程は不明です。膜構造Fasciaで密閉された「骨の連結」の<軟骨性>と<滑膜性>の連結は軟骨を共有し、軟骨組織の所定部位に骨組織が置き換わる「置換骨」は「骨組織と関節を含む軟骨組織が骨格系」であり、軟骨に滑液の介在した「関節」はFasciaで密閉された軟骨組織のバリエーションと考えられます。

  大半の骨の発生は、Fasciaの中に発生した軟骨組織が骨組織に置き換わる「置換骨」であり、幼児期には軟骨組織が骨組織以上に体を支えることから、「Fasciaで水分の多い軟骨組織を密閉する構造」が体を支える“基本的構造”と考えられ、構造は多様です。水の体積は密閉されると不変で、水あるいは水分が多い<滑膜性・軟骨性>の連結が体を支持するにはFasciaが不可欠です。

  解剖学の骨格系は骨組織の骨のみが器官で、骨の周囲や間隙の組織は「骨の連結」の構造として<線維性・軟骨性・滑膜性>の連結が定義されていますが、<線維性の連結>は本来の骨格系を支持し維持するFasciaの一部で、他の系統・器官を支持し維持するFasciaと血管の外膜や神経の鞘を介して一連です。

  体を支持し可動する本来の「骨格系は、Fasciaに密閉された骨組織、骨の間隙に介在する<軟骨性・滑膜性の連結>の軟骨組織・関節」で、Fasciaに密閉された骨間隙が広いと<軟骨性の連結>の軟骨組織、狭いと<滑膜性の連結>の「関節」になると考えられます。四肢の付属骨格では通常の薄い関節軟骨の間に滑液が介在する「関節」ですが、体幹の軸骨格ではI胸肋軟骨結合や恥骨結合のほか、脊柱の椎骨・(髄核のある)椎間円板との<軟骨性の連結>があり、<骨膜性の連結>の「関節」には長い肋軟骨と薄い関節軟骨の間(:Ⅱ~Ⅶ胸肋関節)、並行する肋軟骨の間(:軟骨間関節)などがあり多様で、骨間隙の軟骨組織に滑液が介在する「関節」は軟骨組織のバリエーションと考えられます。

2009年11月25日 第1回線維筋痛症学会「演題14」で発表

「線維筋痛症」と“もう一つの系統”について

gf1060170022.jpg医学が誕生して1世紀半。「線維筋痛症」を含む腰痛や関節痛などの筋骨格系の“痛み”、脊柱側弯症などの“体のゆがみ”、膠原病などの原因不明は、医学の根幹をなす構造認識の欠陥、欠落を考えなければなりません。

  “系統・器官”の周囲にある、体の支持成分のコラーゲンが主体の筋膜などの<<膜>>構造Fasciaには、神経終末が蜜に分布し、人体を構成する系統解剖学の“系統”を支持していますが、神経や脈管の線維被膜を介した全身的な一連のネットワークを“もう一つの系統”(仮称)「支持身体感覚系」と考えられます。すると外傷や手術の後、精神的なストレスから発症するとされる「線維筋痛症」は、“硬縮”した<<膜>>構造Fasciaの状態の異常を訴えていると考えられます。

    骨格系をラップして可動性を獲得し、骨格系の外形をラップし筋を保護しながら可動域を制限してラフでタフな“動く構造体”をつくり、体内の系統・器官を収めていますが、ラップする筋膜などのFasciaにはコラーゲンの圧電現象で呼び寄せたと考えられる神経終末が蜜に分布し、身体感覚のほか、<<膜>>構造維持のための快・不快の感受性も高く、筋骨格系の“痛み”が生じるのです。

  研究生(1976年~1984年)として人体に触れることができ、「コラーゲンが多い(体重の1/15)のは重要な証」との考えから、Fasciaに焦点を合わせた他動的なストレッチングの「ずり圧」を基本手技とする〃筋膜療法Fa(scia)-ther(apy)〃に行き着き、筋骨格系の“痛み”、脊柱側弯症やO脚の“体のゆがみ”の改善に有効な変化を体験しました。寝たきり状態の女性(62歳)のリハビリテーション(1999年から7年間)は、ほぼ全快の後、多発性脳梗塞の診断が終わるまで4度の卒中発作の入退院で次第にレベルが下がったものの、その度に施療で体の柔軟性を取り戻し、<<膜>>構造Fasciaの状態の異常を解決しました。

  再生医療実現のiPS細胞の研究には“細胞の培養技術”が不可欠ですが、「支持身体感覚系」は、地球上に生命体が現れた38億年前の“古代の海”、6億年前の全球凍結解氷後に現れた“(細胞を接着し、細胞群を制御する)コラーゲンを分泌する細胞”の出現に由来する系統とも考えられ、「支持身体感覚系」の機能は、器官系・器官の新生、再生、支持、身体感覚、免疫など、多能です。

2007年11月25日第76回日本解剖学会近畿支部学術集会「演題17」で発表

「形・運動・感覚のある“骨格系”の構造について」

px0010045821.jpg  皮下のコラーゲンからなる筋膜・靭帯などの一連の<<膜>>構造Fasciaを、徒手で「持続的な張力をかける」「動かす」と、体の意識レベルが高まり、“体のゆがみ”や神経症状が改善します。筋膜は解剖学では骨格系に属しませんが、筋膜・靭帯・骨膜・腱などを一連の構造と考えると、骨格のすべての骨間隙には可動域の制限が生じて“動く構造体”ができ、体を支持できます。

  ①骨組織  ②関節を含む軟骨組織  ③膠原線維・弾性線維・グリコサミドグリカンなどの密性線維性結合組織で構成する“骨組み”は、骨の連結部が可動する構造だけではブラブラで形がなく体を支持できませんが、①②を③が蜜にラップし可動する『内側』のラップのほかに、①②が皮下に突出した部分の骨間隙などの可動域を制限する『外側』のラップの、③の『内』『外』二重のラップ構造により体における基本的な位置づけができ“動く構造物”ができます。

“体のゆがみ”での<<膜>>構造の短縮・過伸展は、持続的な張力で伸展し、姿勢を改めると膠原線維に絡む弾性線維が働いて短縮し、不可逆的とされる軟骨組織の変形も、腰や四肢を伸ばて姿勢を改め、“重力の場”に対応した力を作用させると『内』『外』のラップが整い可逆的に改善することが考えられます。

①②を包む③のコラーゲン主体の<<膜>>構造で、骨格自身の基本的な“形”ができ、神経終末が蜜に分布することで、筋の的確な運動に不可欠な位置感覚が生じ、筋を外力から保護して複雑な負担を減じ、筋の容易な活動の環境をつくっています。骨間隙を多く大きく動かせば温もりなどの快感とともにストレスに強くなり、動きが少ないと冷えや痛みの不快感が生じます。骨格系の構造認識を改めると、“体のゆがみ”“痛み”の不明の解明が考えられます。

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